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ヒトゲノムの塩基配列の解読が終わり、研究の方向はそのゲノム情報を用いた遺伝子機能の解析
(タンパク質の同定、発現解析、機能解析)に移行している。遺伝子機能の解析では、動物細胞や
大腸菌に遺伝子導入をして、実際にタンパク質を発現させる必要がある。このとき、その定量性が
重要になる場合、現在は免疫学的に測定する方法が主である。しかし発現させるタンパク質
(生理活性物質)の抗体が存在しない場合、まず抗体を作製する必要があり、かなりの時間を要する
という問題点がある。この問題を解決するために、本プロジェクトでは、その検出感度や解析速度、
特異性、一般性から、未知タンパク質の同定や翻訳後修飾解析などに中心的な役割を果たしている
質量分析に着目した。質量分析の特性を活かしたタンパク質の新規定量法を確立し、定量の大幅な
時間短縮を達成することを本研究の目的とする。
本プロジェクトを実現するにあたり、質量分析の特性から、動物細胞で発現させる生理活性物質の
分子量を標識する必要がある。そこで、動物細胞株を用いた生理活性物質発現系を有する加藤研究室と、
13C標識のアミノ酸を合成する技術を有する清水研究室が共同することによりこの問題を解決した。
細胞培養において、安定同位体13Cの標識アミノ酸を含んだ培地を使い、発現タンパク質を13C標識
する。そして培地での内部標準による13C標識を質量分析で検出できれば、相対的な定量が可能になると
考えられる。これを新規定量法として確立できれば、従来用いられている酵素免疫測定法(ELISA法)と
比較して、発現タンパク質の定量法として時間短縮が達成できる。また、同時に新しい定量系として、
従来出来なかった定量を達成できる可能性がある。
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